ハイブリッドカーは本当にお得なのか?

ハイブリッド車って燃費がよくていいよね。特にハイブリッドカーの先駆けとなったプリウスは2代目となり、現在3代目を開発中という。
この2代目プリウスは、カタログ数値で燃費が33〜35.5km/Lで、走行状況により大きな差はあるものの実走行17〜20km/Lという。
プリウスがバッテリーがガソリンエンジンをアシストする方式で、実際2Lクラスの性能があり、このクラスの自動車では7〜9Km/Lが標準な実走行燃費考えると相当燃費がいい事になり、それだけでハイブリッドの魅力は大きい。
今回はそんなハイブリッドカー「2代目プリウス」と、同メーカーの2Lセダン「アリオン」とでどれだけ燃料代が節約できるかを比較してみた。
トヨタ プリウス トヨタ アリオン
車両画像
カタログ燃費 33〜35.5Km/L 15.2Km/L
実燃費 17Km/L 8Km/L
■比較方法■
年間1万2千キロを走行する事を考えて、プリウスでは平均燃費17Km/L、ガソリンエンジンでは8Km/Lと考えてみると、現在のガソリン代130円/Lで年間どれだけお得なのか計算をしてみた。
なお、カタログ数値で燃費の良い車ほどコンデションや運転のしかたによって大きく実燃費が変化するが、各サイトで収集したデータから平均燃費を割り出しました
年間使用燃料 706L 1500L
年間ガソリン費 (130円/L) 91,780円 195,000円
■差額■
年間で103,220円の差額は発生し、圧倒的にプリウスの方が維持費が少なくすみました。(当たり前かぁ・・)
車両価格 税込2,467,500円 税込2,184,000円
■車両価格から比較■
プリウスがハイブリッド機構やバッテリーを塔載している事もあり、2Lクラスの車両と比較すると価格は高めです。
この高めの価格設定と2Lクラスの価格の差額を出すだけの燃費が出ているかテストしてみた。
まずはプリウス。今では新車購入でこのクラスでは当たり前に塔載するディスチャージヘッドランプが塔載する最低グレードがSツーリングセレクション。今回はこれをチョイスする。
ただし、このグレードから上はカタログ数値燃費は33Km/Lとなる。
対するアリオンは1.5L、1.8L、2.0Lと3タイプのエンジンを用意されており、パワーから比較して2.0Lモデルと比較する事となる。
こちらもディスチャージヘッドランプがメーカーから標準装備される20A Sツーリングパッケージをチョイスした。
ただし、20Aにディスチャージはオプションで選択できるのでもっと安価に済ます事も可能だが同じ土俵で考えてSツーリングパッケージにする。
このクラスはアリオンで最上級グレードとなり、筒内直接燃料噴射、自動無段変速機(CVT)、可変バルブタイミング、ロックアップ機構付トルコンを塔載している事によりカタログ数値で15.2Km/Lの高燃費を実現する。実走行燃費はこんかい比較している8km/Lより良いかもしれない。

さてこの2台の価格差は、283,500円あるり、ハイブリッドは約30万円近く高い事がわかった。
ただ思ったことは、交換用蓄電池の価格から考えると、ハイブリッドシステムや車両状態を表示するディスプレイが塔載など最先端技術のかたまりがこの価格で購入できるとはかなり安いと思う。

この差額の金額をガソリン代で計算すると2181Lのガソリンが購入できる事になります。
これを走行距離で計算するとアリオンではで17,448Km走行できる事になり、2年弱分の金額となります。
バッテリーメンテナンス費用 バッテリー本体
128,000円
工賃 12,000円
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■バッテリーは劣化する消耗品です■
ハイブリッドカーはバッテリーでアシストする。このバッテリーはもちろん繰り返し利用するが永久に使用できるものではなく劣化する。
走行状態にもよるが、5年も経過すると絶対に交換が必要とされ、コンデションの良い状態を維持するのであれば走行状態にもよるが3年で交換する方が良いという声もある。
このバッテリーの価格は旧プリウスでは328000円もしたものが、2代目ではなんと128000円と大幅に低価格化されている。これに交換工賃としておよそ12000円必要とされており、合計14万円必要となる。
先ほど5年と言ったが、バッテリーは劣化するもので、新車時より年々燃費は落ちてゆく。さらに乗らないとバッテリーは放電してしまいさらに寿命を縮めてしまいます。
さて、このバッテリーを5年で割ったとして計算してみよう。
バッテリー年間金額 28,000円(5年の場合)
46,666円(3年の場合)
ーー
このバッテリー代をガソリンに変えたのであればアリオンでは215L給油でき、年間1720Km、5年で1075Lの8600Km走行可能となる。
3年で計算するのであればもっとガソリン車が有利となるが、今回は5年計算までとしておく。
5年乗ったとしての差額
(60000Km)
5年で買い替えなのでバッテリー交換はしない場合で計算

ガソリン使用量
3530L
ガソリン金額
458,900円
車両本体の差額
283,500円
−−−−−−−−
175,400円
ガソリン使用量
7500L

ガソリン金額
975,000円
−−−−−−−−
975,000円
10年乗ったとしての差額
(120000Km)
バッテリー交換
128,000円
バッテリー交換工賃
12,000円
ガソリン使用量
7060L
ガソリン金額
917,800円
車両本体の差額
283,500円
−−−−−−−−
1,341,300円
ガソリン使用量
15000L



ガソリン金額
1,950,000円
−−−−−−−−−
1,950,000円
結果 5年乗ったとして年間
159,920円お得
10年乗ったとして年間
60,870円お得
これまでハイブリッドカーは地球にやさしい車だが、総合的な経済性ではガソリン車でもハイブリッド車でも同じ、もしくは+またはマイナスになってしまうと思っていたが、こうやって比較すると5年間プリウスに乗ったと考えたとしても3年間ガソリンがお得になるという計算になりました。おまけにハイブリッド車ならではの割引や税金が安くなるなどのサービスもあります。
ただ、今回の比較はあくまでも机上での計算であり、実際の走行状況により大きな差が出ると思います。
また、バッテリー状況も5年間変化がない状態で計算していますので実際はこれより劣ると思われます。
 
・・・ただし、3年車検時にバッテリー交換し、6年間乗った場合の計算だと・・。
3年目に交換し、6年乗った場合 バッテリー交換
128,000円
バッテリー交換工賃
12,000円
ガソリン使用量
4236L
ガソリン金額
550,680円
車両本体の差額
283,500円

−−−−−−−−
974,180円
ガソリン使用量
9000L


ガソリン金額
1,170,000円
−−−−−−−−−
1,170,000円
このように差額はぐっと縮まり、結果お得ではあるが年間32,636円となった。
今回はあくまでも2Lのアリオンで計算したが、もっと低燃費の1.5〜1.6Lのガソリン車と比較した場合、車両価格も200万円を切る事や燃費も12〜14Km/Lあたりとなるのでこの場合だとガソリン車の方がお得となるだろう。