WILLCOMの料金プランについて考えてみる
音声通話無料のWILLCOM定額プランが好評のウィルコムだが、現在2機種使用している。
問題は今年11月より数機種発売するモデルにどの料金プランを設定したらいいか考えてみた。
もともとウィルコムの料金体制にはDDIPocket時代から複雑だと言われてきており、実際カタログだけで把握しにくい所が多々あった。
それに今回の定額プランやパケット定額プランなど登場して、さらに複雑化している。
どのプランが自分に一番合っているかウィルコムのページでシュミレーターはあるものの正直まったく役に立たないのが現状・・。
新規ユーザーならいいものの、既存ユーザーは年間割引などの割引金額を考えて総合的に良いプランを探さなければいけないからだ。
それでは音声通話無料のウィルコム定額プランから考えてみよう。
ウィルコム定額プランとは、月額2900円でウィルコムユーザーとの通話を無料にできるケータイ初の画期的なプランで、家族やカップルなどに非常に好評で、加入者数も毎月6万以上増加している一番人気で定番のプランとなりつつある。
また、今までPHSから携帯に電話すると料金が高いというイメージだったが、これも覆してしまった。
各社表にしてみた。ただしウィルコム定額プランは年間契約が必須なので各社も同様の計算とする。
また料金プランはウィルコム定額プランに近い金額のプランで比較してみます。
表1
月額基本料金 | 無料通話 | 同キャリア同士 | 携帯電話 | 固定電話 | Eメール通信料 | |
ウィルコム 定額プラン |
2,900円(税込) | なし | 無料 | 30秒13.125円 | 30秒10.5円 | 無料 |
ドコモ タイプSS | 3,402円(税込) | 1,050円 | 30秒20円 | 30秒20円 | 30秒20円 | 月額210円 0.2円/パケット |
au(WIN) プランSS | 3,213円(税込) | 1,050円 | 30秒20円 | 30秒20円 | 30秒20円 | 月額315円 0.2円/パケット |
ボーダフォン(3G) ライトコールパック |
3,307円(税込) | 630円 | 30秒換算して 昼8:00-1900 21円 夜19:00-8:00 31.5円 |
30秒換算して 昼8:00-1900 21円 夜19:00-8:00 31.5円 |
30秒換算して 昼8:00-1900 21円 夜19:00-8:00 31.5円 |
月額315円 ボーダフォン同士は300kバイトまで受信無料。他社は125文字まで無料 0.21円/パケット |
上記の表を見てわかる通り、どのキャリアと比較しても携帯に電話する料金がウィルコムが安いのです。
もちろんPHS本来の固定電話との通話も約半額と安く、同キャリアのみならず、他社の携帯やPCへのメール送受信が無料となっているのです。
ただし欠点もあります。
ウィルコム定額プランでは2台以上の契約につき、ファミリーパックとして2台目より月額基本料が2,200円となるサービスがあります。
それはいいのですが、その安さからそれ以外の音声定額については割引制度はないのです。
例えば年間割引は、元々年間契約でしか契約ができないのでないのは仕方ないと思いますが、長期利用割引なども適用がとなってしまいます。
また、無料通話分もありません。
それを見据えても他社と比較しても安いすばらしいく画期的なプランだと思います。
さて、ここからが問題です。
新規ユーザーや、音声通話がメインの方はほぼウィルコム定額プランにされる事でしょう。
しかし既存のユーザーで、データ通信もしっかり使う方にとってはこのウィルコム定額プランはそれほど喜べない点もいくつかあります。
それでは既存ユーザーがウィルコム定額プランに変更を戸惑う理由をあげてみましょう。
●年間契約割引
年間契約することにより、15%割引されます。ただしデータセット割引の音声プランは半額された金額に適用されます。
●長期割引
1年目以降5%〜最大10%割引されます。
●A&B割引
家でブロードバンドを契約されていれば基本料15%割引されます。
●データセット割引
1台をデータプランで契約し、もう1台を音声プランの計2台持ちした場合、その音声プランの基本料金が半額になります。
●複数割引
2回線以上の契約をすると、1台あたり200円割引されます。ただしデータセットと併用はできず、この場合データプラン側のみ割引される。
これらの割引は、ウィルコム定額プランには適用されず、特に長期利用されている方には不利になってしまいます。
(ウィルコム同士通話が多い方はウィルコム定額プランがの方がオススメな場合が多いです)
実際に計算をしてみましょう。
現在つなぎ放題で契約している端末と音声標準プランで契約している場合を例にしてみましょう。
表2
つなぎ放題(x4) | 標準プラン | つなぎ放題プラン ○ PCとの接続も適用されている。 Eメールが無料。 100km以内への固定電話への通話料金が安い。 IPフォンへの通話料金が大幅に安い。 × 100kmを超える通話は定額プランの方が安い。 標準プラン ○ データセット割で基本料金が半額になる。 × Eメールは有料となり、定額にするにはメール放題+500円が別途必要。 (今回の例ではメールはつなぎ放題プランで行なうので計算に入れていない) 1回の通話に通話料とは別に接続料10円必要となる。 携帯電話など各通話料金が定額プランに比べて高い。 |
|
月額基本料金 | 5,800円 | 2,700円 | |
データセット割引 月額基本料半額 |
-1,350円 | ||
年間契約割引 15%割引 |
-870円 | -202円 | |
長期割引(-5%) 1年以上2年未満 |
-290円 | -67円 | |
A&B割引 15%割引 |
-870円 | ||
複数回線契約割引 -200円 |
-200円 | ||
オプション 高速化サービス |
+300円 | ||
オプション 4X(128kbps) |
+3,500円 | ||
小計 | 7370円 | 1081円 | |
税金 | 368円 | 54円 | |
合計 | 7738円 | 1135円 |
このようになります。これは現在わたしが契約しているプランなんですが、あくまでも2台持ち計算です。
さて、ウィルコム定額プランベースでこれとほぼ同様な条件で計算してみましょう。
表3
定額プラン | 定額プラン | 定額プラン ○ 端末でのEメール無料 × PCとの接続をする場合、データ定額が6300円になってしまう。 各種割引制度がない。 |
|
月額基本料金 | 2,900円 | 2,900円 | |
ファミリーパック割引 | -700円 | ||
データセット割引 月額基本料半額 |
|||
年間契約割引 15%割引 |
年間契約必須 だが割引なし |
年間契約必須 だが割引なし |
|
長期割引(-5%) 1年以上2年未満 |
|||
A&B割引 15%割引 |
|||
複数回線契約割引 -200円 |
|||
オプション 高速化サービス |
+315円 | ||
オプション 4x(128kbps) |
|||
データ定額(4x) 1,050円〜 |
最大 +3,800円 |
||
合計 | 7,015円 | 2,200円 | |
PC接続が必要な場合 | +2,500円 | ||
合計 | 9,515円 | 2,200円 |
以上のようになり、PC接続を前提とするのであればかなり高くなってしまいます。
通話料金もつなぎ放題プランであれば携帯電話24秒/10.5円となり、定額プランでは30秒13.125円と定額プランが安く感じるが秒換算すると・・。
13.125÷30=0.4375円/秒
0,4375x24=10.5円/24秒
となり、つなぎ放題も定額プランも同じ料金となる。
その他固定電話やIPフォンではつなぎ放題プランが有利となる。
もちろんウィルコム同士通話が多いのであればウィルコム定額プランをオススメする。
表にしてみていくつかわかってきた。
端末でインターネットをバリバリ使うが、PCは持ち歩かず、家ではブロードバンド接続するので必要ない方も多いはず。
わたしも以前は外で接続していたんですが、今ではPHS回線でPC接続はしなくなりました。
そう考えると定額プランのPC接続は不要となり、逆に今度は定額プランの方が安くなってしまいました。
しかし総合の合計を考えるとつなぎ放題+標準プランである表2で出した金額の方がお得となるのです。
また、長期契約割引は3年で最大10%まで割引されるので、最高で7,434円にすることができます。定額プランでは加入したばかりの人でも3年使った人でも料金は変わりません。
しかし表2の2台目となるプランが標準プランなのでそれなりに欠点が出てきます。
●Eメールにデータ量量にあわせ別途料金が必要
●通話の際、接続料ば別途10.5円必要となる
●携帯電話への通話は、平日は16.5秒/10.5円・土日祝日及び平日夜から深夜は最初の60秒は15秒/10.5円 それ以降は24秒/10.5円となり定額プランやつなぎ放題プランに比べかなり高い。
●固定電話は30km以内であれば安い(土日祝日及び平日19:00〜23:00は定額プランと同じ)30km以上であれば定額プランの方が安い。
○逆にIPフォンは60秒〜70秒/10.5円と安い
となってしまうので、定額プランに比べデータ割引により半額になった基本料金・複数割引されたつなぎ放題プランの割引分・年間契約割引分・長期契約割引分はあるものの実際ある程度通話するのであれば定額プランに比べ大幅に通話料金が高くなってしまいます。
主に着信として2台目を考えているのであればこの標準プランとつなぎ放題プランがお得に感じます。
そこで、各割引のお得感もありつつ、2台目のプランもお得になるプランはないかと色々考えてみました。
それがつなぎ放題プランとウィルコム定額プランの併用です。
表4
つなぎ放題 (x4) |
定額プラン | ||
月額基本料金 | 5,800円 | 2,900円 | |
ファミリーパック | -700円 | ||
データセット割引 月額基本料半額 |
|||
年間契約割引 15%割引 |
-870円 | ||
長期割引(-5%) 1年以上2年未満 |
-290円 | ||
A&B割引 15%割引 |
-870円 | ||
複数回線契約割引 -200円 |
-200円 | ||
オプション 高速化サービス |
+300円 | ||
オプション 4X(128kbps) |
+3,500円 | ||
小計 | 7370円 | 2,200円 | |
税金 | 368円 | 税込計算です | |
合計 | 7738円 | 2,200円 |
つなぎ放題とウィルコム定額プランを併用した方法を表にしてみました。
この方法にするとつなぎ放題の方の料金はまったく変更はありません。複数割引にする電話が定額プランであっても複数回線契約割引に適用されます。
また2台目が定額プランに変更された事によりデータセット割引は適用外になってしまったもののファミリーパックが適用され2,900円の定額プランが700円安くなり2200円となります。
実際1,065円高くなったわけですが、Eメールは無料になり、通話料はIP電話を除き大幅に安くなりました。もちろん接続料であった10.5円も必要ありません。
そしてウィルコム同士であれば音声無料で通話する事も可能となったのです。
しかも相手側は定額プランでなくても可なので2台目→1台目の通話は無料となるのです。
1台目→2台目は通常の料金がかかるので事前にメールで連絡し、かけてもらう方法をとれば音声定額も片方だけでいいのです。
わたしの場合、両方とも自分で使用しているのでそういった使い方は必要ないですけどね。
もちろんつなぎ放題プランなのでPCへの接続も可能となります。
んーでも1台だけでいいんだけど・・って言う方の為こちらも計算してみました。
あくまでもベースは変更してません。
表5
こちらは1台のみ契約の場合の計算です。
つなぎ放題 (x4) |
定額プラン | ||
月額基本料金 | 5,800円 | 2,900円 | |
ファミリーパック | |||
データセット割引 月額基本料半額 |
|||
年間契約割引 15%割引 |
-870円 | ||
長期割引(-5%) 1年以上2年未満 |
-290円 | ||
A&B割引 15%割引 |
-870円 | ||
複数回線契約割引 -200円 |
|||
オプション 高速化サービス |
+300円 | ||
オプション 4X(128kbps) |
+3,500円 | ||
データ定額(4x) 1,050円〜 |
+3,800円 | ||
小計 | 7570円 | 6,700円 | |
税金 | 378円 | 税込計算です | |
合計 | 7948円 | 6,700円 | |
PC接続が必要な場合 | +2,500円 | ||
合計 | 9200円 |
PCとの接続をしないのであれば定額プランの方がお得だと思います。
つなぎ放題プランであれば最大10%まで長期割引に対応しますが、それを考えてもウィルコム定額プランの方が安いです。
いかがでしたか?ウィルコムの複雑な料金体制が少しはおわかりいただけたんじゃないでしょうか?
ウィルコムは2005年11月より様々な端末を発売する予定です。
期待のW-SIM端末も登場します。
ここをご覧になっている方の多くはW-SIM対応のシャープ「W-ZERO3」の購入を考えている方も多いんじゃないでしょうか?
わたしもその一人です。
現在わたしは京ぽんこと京セラ「AH-3001V」とNTTドコモのSII製「Wristomo」をWILLCOM契約により2台持ちをしています。
その「Wristomo」も登場してから2年半ほど経過し、1度の通話で電池切れを発生してしまうほどです。
これに代わるモデルの登場がないのが非常に残念です。
今回その「W-ZERO3」の登場により携帯電話にはないスマートフォンとしてウィルコムユーザーだけでなく、各マスコミの話題になっており非常に期待をしております。
このモデルは知っての通りウィンドウズモバイルを搭載した凄いPHSで、通信はW-SIMを採用しています。
ただ問題がありまして、ダイバシティの非搭載などW-SIMの仕様で問題があります。
そして皆さんが一番気になっている問題ですが、本来電話というものは、相手のあらゆる生活に割って入る道具で、どんな場合でも着信を優先するのが普通であるとわたしは考えます。
例えば友達とどこかで待ち合わせをします。なかなか来ないのでインターネットでもして待つ事にしました。
相手は場所がわからないので電話をしてどのあたりか聞こうとおもいましたが、パケット通信中で相手に電話がつながらない・・。
そんな事とは思わずずっと待っている・・これじゃいつまでたってもお互い合えません。
よって、インターネットへ接続していても着信があれば通信を切断し、着信させるのが電話本来優先するべき点だと思います。
京セラAH-K3001VなどはメールこそWEB閲覧中には受信はできませんが、音声通話の際はしっかり着信できます。
もちろんドコモやauなど携帯電話のキャリアも着信を優先し、メールの受信も可能です。
もうお判りだと思いますが、「W-ZERO3」が問題ではなくW-SIM側がパケット通信中の受信ができないという事です。
これは11月1日〜2日にかけてW-SIMのメーカーである「ネットインデックス」に実際わたしが問い合わせていただいた答えです。
話によると、「WEB閲覧中の音声通話着信はできません」とはっきりしたお返事でした。
ただ、閲覧中でも実際パケットの流れていないアイドル状態でも着信はできないのか?と質問した所、お返事がいただけませんでした。
「W-ZERO3」は気軽に外でインターネットができる画期的なモデルにもかかわらず、電話本来の基本である音声通話がWEB閲覧中に着信ができないW-SIMによって画期的なスマートフォンが、普通のPDAにカード型AirEDGEを付けたのとそれほど変わらないと感じました。 こんな感じの製品
今回の「W-Zero3」だけでなく、いずれ発売されると思われるフルブラウザー内蔵電話タイプモデルなど出た場合さらに大きな問題になると思われる。
そういった点もあり、今回登場時に出るネットインデックス製W-SIMは見送りたいと考えていました。
(他社から出る予定もあるそうなのでその点の改善に期待しています)
とは言え、「W-Zero3」への情熱は冷める事はなく、色々方法を考えてみました。
例えばWEB閲覧中で着信できない場合は「着信転送サービス」を利用しようと考えました。
しかしウィルコムによるとパケット通信中の着信転送はできないとの事でした。
仕方ないので飾りだけでほとんど通話していない2台目の「wristomo」をメインの通話として使用する事を考えましたが、元々ドコモ用の端末なのでツインウェーブ機能に対応しておらず、高速ハンドオーバーができません。
また、アンテナも内蔵型なので感度も非常に悪く、WILLCOMに契約を変更した事によりメールやブラウザー機能が利用できなくなってしまったのもあり、2台目のメインとして使用には無理と考えました。電池も限界ですし。
そこで考えたのが、2台目を11月に発売する京ぽん2こと「WX310K」です。
通話としてブルートゥースを内蔵しており、車でもワイヤレス通話が可能、さらにダイバシティも搭載しておりスペック的には申し分ない機能を搭載しています。
通話メインであればもっと安いモデルもありますが、やはり電話型では一番期待されているモデルなのです。
この「WX310K」と「W-ZERO3」の2台持ちが最強ではないでしょうか?
ネットは主に「W-ZERO3」を使用し、一応何かのダウンロード程度に1050円よりはじめられるパケット定額に入っておけばいいんじゃないでしょうか。
どちらにせよ発売日までもうすぐです。
楽しみでしかたありません。
2005年11月2日 K-Arts 「物欲マニアックス」 BJ
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