思い起こせばこんなのあったな〜

■NEC デジタルビデオレコーダーGigaStation「MV-10000」
NECより1999年に発売した独自方式の光ディスクタイプデジタルレコーダー。
ディスクは一見DVD-RAMに似ているカートリッジ方式を採用したが互換性はなく、ネーミングも「MVDISC(Multimedia Video Disc)」といい、容量は片面5.2GBとDVD-RAMやDVD系メディアより変換効率が良い為上回る。
使い勝手などはDVDと特別変わらず、記録方式もMPEG2を使用しているが、当時急速に普及しだしたDVDが再生できないばかりか、類似するDVDレコーダーの登場によりまったく認知されることなく、後にも先にもこのモデルのみとなっている。
■DCC(デジタル コンパクト カセット)
オランダのフィリップスと松下電器産業が共同で開発したデジタルオーディオカセット。
アナログコンパクトカセットと互換性を保ちながら、PASC形式で専用カセットに記録・再生ができる固定ヘッド方式を採用したデジタルオーディオレコーダー。
同時期に登場したMD(ミニディスク)がサンプリング周波数44.1KHzとCDからデジタル録音しかできないのに対し、DCCではBSなどで使用されている32KHz。CDと同じ44.1KHz。BSのBモードやCSデジタルラジオなどの48KHzに対応していたが後にMDでもサンプリング周波数変換技術により44.1KHzで記録できるようになっている。
MDがディスク方式でクイックサーチなど使い勝手をアピールしているのに対し、DCCではテープ方式による制約を引きずっており、結局MDとのシェア争いに敗れ、市場から消えていってしまった。
DATのようにレコーダー普及の敗者であるものの、CD以上の高音質を無圧縮で記録できることを利点に音にこだわるマニア層に支持され現在でもレコーダーやテープは販売されているものの、DCCにはこれらの利点もない。
■アイワ メガドライブ内蔵CDラジカセ「CSD-GM1」
SEGAの16ビット家庭用ゲームマシーン「メガドライブ」と、メガドライブのCD-ROMソフト「メガCD」を内蔵した異色のCDラジカセ。
定価は45000円と高価で、CDラジカセとメガドライブを合体させた意図がわからない。
ラジカセ部とゲーム部は分離でき、ラジカセのみを持って外出するときは余分なハードを外しコンパクトにできるが、ゲーム部のみでプレイする事はできない。
メガドライブは何かと異色のハードで、パソコンに内蔵させた「テラドライブ」や、LDと合体させた「レーザーアクティブ」など合体系ハードを出していた。発売は1994年9月1日となっている。
■VHD(ビデオ・ハイデンシティ・ディスク)
日本ビクターが開発したビデオディスクで、水平解像度自体はVHS程度の240本だが、1枚のディスクに最大2時間の映像と音声を収録可能。
LD(レーザーディスク)のレーザーにより非接触型読み取りと違い。溝のない静電容量方式という接触式の針を使用しディスクの信号を読み出す為、傷や埃だけでなく、ディスクの磨耗による読み出し不良も発生する可能性があった。
ディスクはキャディというカートリッジに収められており通常は中身を見る事はできない。
VHD本体にカートリッジごと差込み、引き抜くと直径26cmのディスクのみ本体に吸い込まれる。また、LD同様A面とB面の両方を使用することが可能。
VHDは、日本ビクターや松下電器産業をはじめ13社参入しており、対するLD陣営はなんとパイオニア1社のみ。

VHD規格の圧勝は確実とまで言われていたが、VHDはLDと比較して画質が低く、接触方式によるディスクの磨耗や接触針の交換などの欠点や、LD同様にレーザーで読み取るCDとの互換を高めたCD/LDのコンパチブルプレイヤーの発売もあり、ビデオディスク市場でVHDを採用したメーカーが多数参入していたがたった1社のLDに敗北し市場から消えていった。
3Dグラスと専用ディスクにより立体映像が楽しめるモデルも登場し、VHDの音楽版であるAHDの開発もされた。
■LD(レーザーディスク)
フィリップスが1977年に開発した最大両面2時間の映像が記録できる光ディスク。
ディスクは30cmタイプと後に発売される20cmタイプの物があり、通常は両面張り合わせタイプだが、20cmタイプはCDと同じ張り合わせ無しの薄型ディスクも登場した。
映像はアナログだが水平解像度は400本を超え、、音声にはアナログとは別にCDと同じ44.1KHz16ビットリニアPCMが記録されており、末期にはハイビジョンLD(BSアナログハイビジョンと同じ方式)の登場により、高精細なハイビジョン再生が可能な規格と、AC3というサラウンド再生が可能なモデルも登場した。
日本では1981年にパイオニアが製品化し、VHDの13社とLD1社との規格争いになったがたった1社のみ採用したパイオニアのLDが勝利した。その背景には、レーザーカラオケのヒットが1つ上げられる。
VHDは読み取り方式に静電容量方式という接触方式で、ディスクの磨耗と読み取り針の交換が必要なのに対し、LDではレーザーによる非接触読取り方式を採用。ヒット曲のくり返し再生に業務用カラオケではLDが有利だったのだ。
また、VHDと比較して圧倒的に画質が良いこと。そして決定的なのは同じレーザー読み取り方式であるCDとのコンパチブルプレイヤーの発売とも言われます。
実はレーザーディスクという名称は日本での商標となるパイオニアでの名称で、本来の規格名は「レーザービジョン(LV)」という。のちに商標が公開され、レーザーディスクという名称で各社商品化された。
LD-ROM規格もあり、アーケードゲームやPCエンジン・メガドライブと融合させたレーザーアクティブも発売された。
しかしその大きなディスクの扱いにくさや、再生専用機のみでレンタルも全面禁止(末期頃解禁されたが)だったのもあり、大幅な普及には至らなかった。
VHDとの規格争いに勝利したLDだが、DVD-VIDEO規格の登場によりコンパクトなサイズにLD以上の高画質・高音質が手軽になり、LD市場は次第に規模を縮小し、カラオケ市場も、ディスクからインターネットを利用した膨大な曲数を配信できる通信カラオケにシフトしカラオケシーンからも消えていった。、

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