思い起こせばこんなのあったな〜

準備中 ■NTカセット(Non Tracking) デジタルマイクロテープ
1995年にソニーが開発した切手サイズの超小型デジタルステレオカセット。
切手サイズながら1本で最大往復120分のデジタル録音が可能で、サンプリング周波数は32KHzの2チャンネルステレオ録音でき、音楽再生にも十分対応できるレベルだが、その超小型カセットからCDから録音した音楽再生よりボイスレコーダーやライブなどのマイク録音に向いている。
テープ素材にはメタル蒸着テープを採用し、ビデオデッキのように回転ヘッドを採用しているが、ヘッドが1本1本忠実にトレースして再生するトラッキング再生とは異なり、一度に複数のトラックをトレースする忠実なトラッキング調整のいらないノントラッキング再生を採用。
ヘッドがトラック上どこのどの部分を読み取ったかをICメモリーに記憶し、何度かこの動作を繰り返すことによりメモリー上で並べられそのトラック全てのデータがメモリーに記憶され完全な音声データができあがります。これにより切手サイズの超小型が実現したのです。
また小型化や、複雑な機構をさける為、回転ヘッドでありながらはビデオデッキのようにテープを引き出し回転ヘッドに巻きつけるローディング方式ではなく、NTではノンローディング方式を採用し、回転ヘッドをカセット内へ押し込むだけのテープパスで構成されている。
NTの一般的な使用方法はボイスレコーダー(実際製品化された商品名もスクープマン)で、低価格な上、小型化が容易・記録メディアを必要としない大容量・長時間録音可能なICボイスレコーダーの登場によりテープ代も高価なNTは次第にその存在が薄くなり普及することなく消えていった。
なおNTは1994年版ギネスブックで量産されている最小のカセットテープとして認定されている。
■W-VHS
VHS規格をベースとしたアナログハイビジョンの記録・再生が可能なビデオレコーダー。
VHSをベースとしていることから上位互換は保たれ、一般的なVHSの録画・再生も可能な上、MUSE方式のアナログハイビジョンがアナログで記録・再生を可能。
テープはVHS規格なので12.7mmと太い上、メタル素材を採用しているので非常に高価だが、情報量の多いハイビジョンがそのまま録画できるHDモードのほか、通常放送用のSDモードも用意されており、SD2モードはなんと2チャンネル同時録画が可能となっている(名前の由来はここらへんからきている)。
記録はベースバンド方式をなのでハイビジョンテレビに接続をすれば楽しむ事ができるが、録画にはMUSE方式で圧縮された信号を復調するのにMUSEデコーダーが必要となる為ビデオデッキ単体ではハイビジョン録画はできない。
残念ながらハイビジョンはアナログからデジタル方式へ変更され、アナログ方式のハイビジョンテレビ共々まったく普及することはなかった。
そのアナログハイビジョン放送も2007年には打ち切られW-VHSの役目も完全に終えたといえる
後にデジタルハイビジョン放送に対応したデジタル方式のD-VHSが登場しているが、メディアはテープからディスクへ急速に移行しこちらも普及までに至らなかった。
準備中 ■ビデオCD (VCD)
音楽CDと同じ12cmCDに最大74分の映像と音声を収録したCD-ROM。
映像にはMPEG-1のデジタル圧縮形式と、MP2の音声で収録し、画質は水平解像度240本とVHS程度の画質で352x240ドットとなっている。
ビデオCDは、後にVersion2.0規格が登場し、簡易メニュー機能によるプレイバックコントロール機能を追加し、静止が再生も可能となった。
日本ではほとんど普及しておらず、主にアダルトビデオで使用された。
その背景には1本約2時間の映画が1枚のディスクに収録できない点と、LDと比較して大幅に画質がダウンしている事ともいわれます。
高画質・高音質でコンパクトなDVD-VIDEOの普及によりビデオCDの普及どころか存在もあまり知られぬまま市場から消えてしまった。
しかしながらアジアでは普及率が高い。その背景にはソフトの海賊版が大幅に広まり、安価にソフトが入手できる事があげられます。
再生にはCD-ROMドライブを装着し、ソフトウェアデコーダもしくはハードウェアデコーダーを搭載し再生ソフトをインストールしたPCもしくは専用プレイヤーで再生でき、MPEG-2を使用したDVDプレイヤーのほとんどもビデオCDの再生をサポートしています。
また、CD-Rドライブと専用ソフトを使用することによりビデオCDを製作することも可能です。
スーパービデオCD(SVCD)規格も登場し、DVDと同じMPEG-2で圧縮したDVDレベルの画質を収録できるが、使用メディアがCD-ROMな事もあり、再生時間はビデオCDより短くなってしまっている上、規格の標準化もされていない。
■CDV
直径12cmのディスクに最大20分の音声「AUDIO PART」と5分の映像+音声「VIDEO PART」を収録できる1987年に登場した音楽CDの拡張規格。
音声トラック(AUDIO PART)は通常のCDプレイヤーで再生できる(映像トラックの音声は再生不可)が、映像トラック(VIDEO PART)は専用プレイヤーもしくはCDV対応のLDプレイヤーで再生をする。
通常は4曲ほどの音声トラックと1曲のビデオクリップを収録したパターンが多く、それ以外の使い道が浮かばないまったく訳のわからないフォーマットで、全く普及せず消滅してしまった。
「8cmCDシングル」はこの音声トラックのみ独立させたものが原型で、これと逆の映像トラックのみの「CDV Single(VSD)」という規格もあったがこちらもすぐに消えてしまった。
VCDとよく勘違いされるが、CDVはVCD以前に策定されており、VCDがMPEG1によるデジタル映像に比べCDVはLDと同じ方式のアナログ映像となっている。

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