大容量HDDを搭載した動画対応ポータブルプレイヤーを比較する
| ■多彩な音声フォーマットで上手く使う |
| 音楽フォーマット。CDの音は通常そのままパソコンで扱う為には一旦WAV(ウェーブ)ファイルに変換する必要があり、このフォーマットが一番劣化がないのはご存知の方は多いだろう。 もちろんこのフォーマットで保存していくのが一番いいのだが、無圧縮のWAVでは一曲あたりの容量が大きすぎて大量保存には向かない。 ではどうしたものか・・そこで圧縮フォーマットで一番メジャーなMP3に変換するという方法が一般的になる。 WAVへ変換であればそれら変換ソフトで特に設定もいらず変換できるが、圧縮音声であるMP3では使う人にたくさんの設定があり、慣れないとなにがなんだかわからない。 簡単に言えばビットレートという数字を上げれば高音質になり、逆に下げると情報量が減り音質低下するというしくみ。 MP3は一般的に128kbpsを標準的なCD並みの音質を基準としているが、HDDの大容量化につれ128kbpsへ変換する人はすくなくなってきており、160kbpsは192kbpsもしくはそれ以上へ変換するMP3であれど高音質に保存する人が増えてきている。とはいえいくらビットレートを上げてもMP3は圧縮音声なのでCDと比較すると確実に劣化はしてしまうが、ビットレートを上げて変換すればそうとう耳のいい人や音楽のプロフェッショナルでない限り気づかないだろう。 また、MP3にはVBRという変換方式もある。これは情報量が多いデータの時には大きなビットレートにし、あまり情報がない時は少ないビットレートにしてデータ容量を抑える可変ビットレートで、高音質をできる限り容量を抑えた圧縮を可能としている。 ただしこの方式で圧縮されたデータは一部のプレイヤーで扱えない場合も結構あるので注意が必要だ。 圧縮音声ではこのほかにも様々あり、AACやWMAなど存在するが、より圧縮率が高かったり、CDを基準としたビットレートは違うものの基本的にはMP3と同じだ。 MP3はフォーマットが少々古い事もあり、新しいフォーマットと比較すると圧縮率も低く、同じデータ容量では他のフォーマットより劣る場合があるが、それでも世界で一番普及しているのはMP3だろう。 またこれらフォーマットは、一度圧縮してしまった音声はWAVファイルに戻しCDに焼き直す事は可能だが、圧縮してしまいカットしてしまったデータは戻らない。すなわちMP3からWAVに変換して大容量になっても音質は圧縮をかけたMP3のままという事になる。 圧縮率は高いが元に戻す事ができない。これが非可逆フォーマットと言われる。 しかし圧縮音声を元のWAV(CD)に戻しても劣化しない画期的な可逆フォーマットも存在する。 これを採用したフォーマットは、WMA9-LosslessやMonkey's Audioなどあるが、可逆フォーマットということで非可逆圧縮のMP3などと比較してしまうとデータ容量が大きくなってしまう。 それでもWAVより容量を抑える事ができ、なおかつCDに戻したい時には元のデータそのまま復元してくれる事ができるのは魅力的だがこれらフォーマットを再生できるポータブルプレイヤーはあまり存在しないばかりでなく、PCであっても対応しないソフトが多い。 それでは、今回紹介している3モデルで対応フォーマットを紹介する前に、たくさん存在するフォーマットを紹介しよう。 |
■各種音声フォーマット
| フォーマット | 解説 |
| MP3 | 世界で一番普及しており、ほとんどのポータブルプレイヤーで再生が可能。 圧縮率は1/10くらいで、圧縮された音声データというと普通これが上げられる。 |
| MP3Pro | MP3をさらに高音質と高圧縮を実現したMP3拡張フォーマット。 MP3の128kbpsで圧縮した音質を64kbpsで可能とした規格だがあまり普及していない。 従来のMP3プレイヤーでも低音質ながら再生できるものもあるが、基本的に再生できるプレイヤーはあまりない。 |
| WMA | MicrosoftのWindowsに標準で搭載されているWindows Media Player標準の圧縮フォーマットで、MP3の次に普及している。 MP3より高圧縮ながら高音質をキープしているのが特徴で、圧縮率はおよそ1/20。 対応するプレイヤーも非常に多い。 |
| AAC | AppleのiTunes Musicstoreで音楽配信されている方式で、MP3より約1.4倍の圧縮効率を誇るフォーマット。 iTunes Musicstorが音楽配信業界でトップなのに対し、採用しているポータブルプレイヤーはiPodのみとちょっと不思議な現象がおこっている。 携帯電話の着うたなどもこの方式が使われている。 |
| Real Audio | RealPlayerのRealNetworkが開発したフォーマット。 これが再生できるポータブルプレイヤーは少ない。 |
| ATRAC3 | ソニーがMD(MiniDisc)に開発したATRACをさらに高圧縮させたのがATRAC3。 ソニー独自のフォーマットに為、対応プレイヤーは基本的にソニーだけとなっており、他社の採用例は非常に少ない。圧縮率が1/13。 ソニーが運営している音楽配信ではこの方式が採用されている。 |
| Ogg Vorbis | 特許権をフリーとし、MP3に変わるフォーマットという事で登場したものの対応するプレイヤーはあまり存在しない。 圧縮率が1/30と非常に高いが、それほど普及していない。 |
| TwinVQ | NTTヒューマンインターフェイス研究所が開発したフォーマットで、MP3が出始めた頃ぽちぽち聞いたが今となってはあまり聞かなくなってしまった。 MP3よりいち早くセキュアな仕組みを導入していた。これが再生できるプレイヤーは非常に少ない。 |
| Monkey's Audio | 逆圧縮を採用しており、音質はオリジナルのままでデータ容量を抑える事ができるフォーマット。 圧縮したファイルは元のWAVファイルの戻す事が可能な上、WAVではないタグが使用できることから管理もしやすくなっている。 採用するポータブルプレイヤーは少ない。 |
| WMA9-Lossless | マイクソフトのWindows Media Audio9より採用された可逆圧縮フォーマット。 採用されるポータブルプレイヤーは少ないが、Windows標準で扱える事から今後可逆圧縮では普及すると思われる。 |
| Apple-Lossless | AppleのiTunes4.5より扱う事が可能となった可逆圧縮フォーマット。 採用するポータブルプレイヤーはAppleのiPod以外にはない。 |
| Audible | オーディオブックで採用されているフォーマットで、主に学習用の読み上げに使われる事が多い。 |
| WAV | Windowsで使われる非圧縮の音声フォーマット。 ほとんどのプレイヤーで再生を可能としているが、非圧縮の大容量データとなってしまうので高音質だがポータブルプレイヤーには不向きだ。 |
| AIFF | Macintoshで使われている標準フォーマット。 Apple独自のフォーマットという事もあり、採用しているポータブルプレイヤーはiPod以外あまり存在しない。 |
■それでは3モデルの対応フォーマットを見てみましょう。
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■マック重視だが多彩なフォーマットが自慢の万能プレイヤー
全体的に豊富と言えるだろうが、AIFFはWindowsでいうWAVなのでWindowsユーザーでは特に使う事はないだろう。 iPodでは標準としてAACフォーマットとしており、人気の音楽配信であるiTunes Musicstoreでもこの方式を採用している。 他のメーカーがAACに非対応なのでiTunes Musicstoreで音楽を購入するユーザーはダイレクトに転送できる。 また、ここではオーディオブックの配信も行なっているAudibleフォーマットにも対応している。 音楽だけでなく学習にも使いたい・ネットラジオを好きな時に聞きたいというユーザーはそれに対応しているiPodがいいだろ。 iPodのいい所として、他社が配信と管理が別々(もしくは配信をそれほど視野に入れてない)なのに対し、音楽管理するソフト「iTunes」で音楽の管理・動画の管理だけでなく音楽などの配信も一括で行なえるオペレーションが非常によくできている。 iTunes musicstoreでは他の音楽配信サイトとは比べ物にならないほど曲が豊富で、音楽配信で曲を買う人=iPodを使うという見事な囲い込みをしている。 もちろんMP3に変換してAAC非対応プレイヤーに転送できるが、iTunesを使う以上iPodがダントツ使いやすいだろう。 高音質で可逆圧縮であるApple-Losslessにも対応している。WMA−LosslessやMonkey'sAudioを含め可逆圧縮に対応したプレイヤーが少ないだけに魅力的だ。 しかしその反面、iTunesで使うならいいが、Windowsで扱えるソフトが少ないので若干扱いづらい点もある。 Apple製という事もあり、iTunesでは対応なもののiPodではWMAには対応していない。 しかしファームウェアのアップデートにより将来的に他のオーディオフォーマットにも対応とAppleサイドがアナウンスしているのでもしかしたらそのうちWMAに対応されるかもしれない。 Apple iPod 30GB Apple iPod 60GB |
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■多彩な動画フォーマットとはウラハラに基本フォーマットを採用
MP3ではVBR対応で320kbpsまで対応・WMAでは320kbpsまでで音楽配信にも対応したDRMにも対応されている。あとはWAVフォーマットだけの3フォーマットだ。 iTunesなどで使われているAACには非対応なので「iTunes Musicstore」での音楽配信で購入した音楽はMP3に変換して転送しなければ再生できないが、他社のWMA-DRM対応の音楽配信サイトであればダイレクトに転送できる。 ただ、配信されている曲数を考えるとやはり「iTunes Musicstore」は魅力があり、AACに対応していないのは少々残念だ。 実際、「iTunes Musicstore」を特に利用されないリッピング派であれば特別問題はないだろう。 容量が30GBモデルのみの展開という事もあり、WAVだけでなく、容量を抑えつつ高音質の可逆圧縮フォーマットに対応していないのは残念だ。 Creative Media ZEN Vision:M |
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■WMA9-Losslessを初採用がなんたって自慢
そのためか、音声フォーマットもWMAを優先した作りになっており、WMAの最新フォーマットである高音質の可逆圧縮フォーマットWMA9-Losslessにも対応している。 その反面、MP3の再生はできるが、VBRが非対応になっている。 音楽配信のWMA-DRMにも対応しているのでWindows MediaPlayerで購入した曲をダイレクトに転送できるようになっている。 ただし曲が豊富なiTunes Musicstoreで配信されているAACには非対応となっており、MP3に変換してから転送しなければいけない。 iPod以外のモデルを購入するのであればそれは仕方ない事である。 ただ、Windows Media Playerもたくさんの音楽配信サイトとリンクされているのでAppleを除く他のメーカーよりは使いやすいだろう。 また、gigabeat-sでは高音質設計として、東芝独自の高音域補完技術H2C Technologyを搭載している。 これはMP3やWMAなどの圧縮された音声データであっても、カットされたデータを自動に補正して中音域から高音域を耳に心地よく艶やかに再現する機能がある。 ただしH2C TehnorogyやWMA9-Losslessを使うとそれなりにバッテリー消費率が大幅にアップしてしまうので注意が必要だ。 東芝 gigabeat-s 30GB 東芝 gigabeat-s 60GB |
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第4回 動画再生と液晶ディスプレイ (毎週金曜日追加更新予定)